2025/02/13

ある地方のつらい話

私が通っていた小学校は、西日本のある地方にあったが、児童間の男尊女卑がすさまじく、男子が女子に暴力を振るうのは当たり前、とうぜん暴言や嫌がらせ、スカートめくりなども多々あり、例えば私なんかは小学校中学年のとき、登校中に通学路で近所の男子と鉢合わせしたらいきなり腹を思いきり殴られたことがある(いますぐ死んでほしいくらい憎い)。挨拶をしたわけでもない、ただ出会い頭に突然殴られた。私まじで何もしてないのに。

女とは馬鹿で弱くて価値がなく、男より劣っている生き物であるという共通認識や価値観があり(マジでどういうこと? 地域性?)、男子が女子を気分転換や憂さ晴らしに殴る蹴る、罵る馬鹿にするのは当たり前だった。いくらでも虐げていい、人権のない生き物、それが女、ぐらいの。(大人になって考えると小学生にしてなんとおぞましい) そして男は男であるというだけでとにかく偉くて、威張っていた。

しかし、私は小学校6年間学年でいちばん成績が良く、口喧嘩もダントツで強かったので、よく男子と戦っていたし、相手を完膚なきまでに口でぼこぼこにしていたし、「偉そうな口を聞くならテストで私よりいい点を取ってからにしろ」とか「男は偉くて賢いはずなのに私に負けて悔しくないのか」とめちゃくちゃ煽っていた。つっかかったり嫌がらせをしてくる相手を泣かせたこともあった。(あと下の学年の男子ですら暴言を吐いて付き纏ってきた)

もちろんまともな男子も少しはいたが、大多数が女子を下に見ていた。小学校低学年の頃は男女で一緒に遊ぶこともあったが、学年が上がるにつれ男女は別行動が基本となっていった。

5年生の時、私の小学校生活で唯一人格がマシだった担任の男性教師がある日突然、「男子が女子にひどいことをしていることに先生は気づいた。これはとてもよくないことだ」と言い出し、それを改善すべく学級会が行われ、女子は挙手して被害を申告することになった。私はここぞとばかりに誰に何をされたか、言われたか過去の被害をたくさん報告した。男子たちはただひたすら困惑していた。

学級会には一時的な効果はあったようにも感じたが、男子たちの男尊女卑的風潮はなくならなかった。小学校高学年になると、男子の身長を何人かの女子が追い越す現象が起きるが、そのせいで男子が萎縮することも特になかった。男女は対立関係にあった。ただ、常に男子からの暴力が続いていたわけではなく、男子たちの気分次第で女子に普通に話しかけてきたり、ゲームの話をするようなこともあった。(このへん理解不能)

低学年だった頃、従姉の通う公立中学校では男女間対立がすさまじいものとなり、男子から女子へのひどい暴力のみならず、男子が女子の教科書を盗んで燃やす事件が起き、学級崩壊しかけていて従姉がノイローゼになったと聞いた。しかしその中学校は市内では一番お行儀と成績がいいとされる評判のいい学校であった。

高校については、レイプ未遂事件について被害者から直接詳細を聞いたことがある。犯人の男子生徒は退学になったらしい(そして彼が通っていた高校もまた……)。あと私が成人してからも市内の高校でのレイプ事件の体験談(被害者の女子生徒が退学して通信制や定時制に転校するケースなど)を複数知る機会がたまたまあり、あまりのことに絶句した。当時の友達におそるおそる尋ねたら、「ああ、高校内のレイプはたくさんあるよ」と言われた。怒りが噴き出し、悔しいし悲しいしでたまらなかった。憤懣やる方ないとはこのことか、と思った。

また、10年ほど前にも、市内の小学校で中学年の男子が低学年の女子に馬乗りになって殴り、首を絞めたという話を聞いた。もはや殺人未遂の域で、痛ましすぎた。

本当にどうして、という困惑と、怒りと、絶望がある。そしてこれは、昭和の話ではなく平成のうちの約20年間の、私の知る限りの話である。