しんどい記事を書いてしまったので楽しい記事で中和しようと思う。
昨年の12月のことである。夫に、幼い頃の思い出を語っていた。
3〜4歳の頃、父方の祖父に連れられ、銭湯の男湯に入った。じじいどもの陰部がぶらぶらとしていて(子供の目線の高さなので余計に目に入る)、なんか、嫌やったな……。(男湯なので異物は私のほうだが)
すると、夫が急に「昔読んだ、銀河英雄伝の公式アンソロジー」に収録されていた漫画の話をしてきた。私の話を聞いて、急に「思い出した」のだという。
その漫画は、夫の記憶によると、こんな話である。
キルヒアイスが「申し訳ありません、ラインハルト様。ノイエ・サンスーシの風呂釜が壊れてしまい、今夜は街の銭湯に入っていただきます」とラインハルト様に告げる。
ラインハルト様は「気にするなキルヒアイス。門閥貴族どものケツを眺めるよりも下町のおっさんのケツ(or キンタマ)を眺めるほうが清々しい」と述べ、キルヒアイスが「流石でございます、ラインハルト様」と感心する。
夫は「冒頭のこの会話しか覚えていない」らしい。
私はとにかく死ぬほど爆笑した。ノイエ・サンスーシの風呂釜ってなんだよ!!! というのと、ラインハルト様なら絶対にそう言う……というキャラ解釈の一致。二次創作おもろすぎる。
深夜に、ご近所迷惑になるほど腹を抱えて笑った。笑いすぎて、腹というより両頬の筋肉がめちゃくちゃ痛くなった。こんな、昔のなんか嫌な記憶を話すことで夫の30年以上前のおもろい記憶が出てくることあるんだ!???? (まじで約30年ぶりに思い出したそうです。開け、記憶の扉)
そして私が次に抱いた感情は「その漫画、めっちゃ読みてえ……」
どうなったん!? 銭湯に行ったラインハルト様とキルヒアイスはどうなったん!?
「銀英伝 公式 アンソロジー」とかで検索する。夫に他の情報も聞き出す。「なんか同人誌の寄せ集めっていう感じで……」「巻末に座談会があって、謎の人物が現れて全員起立してた」「3巻ぐらいあったと思う」
「ていうか、買うたん? どこで読んだん?」と尋ねると「図書館」と言われ、また衝撃アンド爆笑。30年以上前の東京都の図書館、そんなもん税金で買うて図書館に置くな!!!(死ぬほどうらやましい)
私は「『銀河英雄伝説』同人誌ベストセレクション 全艦出撃!!」という 1992年発行のアンソロにたどり着く。夫に表紙の画像を見せる。「あー、これこれ」。よし!! Amazonマケプレを駆使して手に入れるぞ!!!
そうして 1巻を入手。なんと道原かつみ先生による銀英伝主要キャラ女体化ピンナップがついている!!! ラインハルト様がは、ハイレグ……。カラートーンに時代を感じる。「ロリロリ銀英伝」というオープニングミニ漫画もついている。おおらかな時代やなあ。
くぅーこれこれ!! 90年代の同人誌や!(※なんと80年代のものもありました……) しかし銭湯の漫画、収録されてない。
2,3巻も入手。2巻を読む。あった!!!!! 本当にあった!!!!!!!!! 故・明智抄先生の漫画だった!!!!!!!
(紹介してるひとおった)
明智抄 「銀河英雄『伝説』」冒頭 (正確なセリフは以下に記す)
ラインハルト様「まいったな 下宿の風呂釜が壊れてしまうとは」
キルヒアイス「申し訳ございません ラインハルト様」
ラインハルト様「まあ いい キルヒアイス おまえのせいでもあるまい それに」
「宮殿でくされきった貴族共のアホ面をみているよりは 銭湯でそこいらのおっさんの股間をみていたほうがすがすがしくてよい」
キルヒアイス「おさすがでございます ラインハルト様」
すごい!!!!!!!!!!! 夫の記憶力もすごい! だいたい合ってる!!
で、その後の展開も読むと「……なんやこれは」というたいへんにカオスな漫画だった。夫が冒頭の記憶しか持ってないのも理解できる。トリューニヒトのキスって何?
それはそうとこのアンソロジー、クオリティが高い。素晴らしい。3巻には私が講談社「なかよし」を購読していて大好きだった「まぼろし谷のねんねこ姫」を描いていらした ふくやまけいこ先生のピンナップもついている。そのピンナップのイラストがまた最高でェ……。大興奮!!!!
いや、なんていうか、生きてると、想像もしないことが起きる。すごい!!!!!