私の父はタンカー船(厳密に言うと重油、原油とかあって『油』なんですが分かりやすく『石油』とします)の船乗りなんですが(父方祖父も伯父も従兄も親戚もだいたいみんな船乗り)、「お父さん、何の仕事してるの?」と訊かれて「船乗りです」と答えると、9割方、「え〜漁師さんなんだ〜何のお魚とってるの? やっぱり朝早い?」などと言われます。
確かに漁師さんも船乗りやし、めっちゃ大事な仕事しとるし(第一次産業!!)、私もお魚大好き。マジ感謝、リスペクト。でも、船乗り=漁師ではないんだよな。
人生で何回もこの体験をして生きてきました。なんでほとんどのひとが漁師前提で話してくるんだろう。日本人、お魚食べるの好きだから?
まあ、私の母の場合は漫画アニメ大好きヲタクファースト世代なので、父(将来、自らの夫になる男)の職業「船乗り」を知った時、連想したのは「ひみつのアッコちゃん」(アニメ第一作)のパパ、豪華客船・日本丸の船長。そう、客船(フェリー)も身近ですよね。乗ったことある〜ってひといますよね。
母は男性の職業制服フェチなので、(警察官とか、鉄道員とか)(そして私もだよ セーラー服、学ランもいいし職業制服フェチだよ!!!)「かっこいい制服着てるんだろうなあ、ワクワクドキドキ」していたそうですが、実際の父は船で作業服あるいはラフな私服を着ていたため、「思ってたのと全然違う、かっこよくない……」と大変ショックを受けたそうです。
(え? 作業服もめっちゃ“いい”やん! 工事現場の職人さん達も大好きなんやけど! ご安心に! ヨシ!)
まあエンジン場とか入るし、服汚れるし、わりと 3Kやからね……。
※ジェームズ・キャメロン監督 映画「タイタニック」にも出てくるアレ、ジャックとローズが迷い込む、油まみれの男達が肉体労働してるのがエンジン場(あれは豪華客船だからエンジン場もデッカいけど父の船のエンジン場は人間ひとり入れるサイズ)。
私、キャメロン監督の映画「タイタニック」大好き!!!! 船、沈没すっけど!!! 悲劇だけど、滅びの美学、ある。それぞれの人が死に場所決めてるのとか、設計士さんの「もっと丈夫な船を作ればよかった……」とか、うわあああ! ってなるし、とかせ、船長ー!!!だし、死を覚悟した上での過ごし方とか、いい。実話ベースだから私の感想ちょい不謹慎だけど、フィクションとして観た時にもう大満足)(キャメロン監督、原爆の映画ほんとうに作るん? めっちゃ観たいけど、なんか、どうなんかな アバターの続編ばっかやってない?)
「お父さんは船長さんなの?」ともよく訊かれます。これは、別に「はい、船長です」と適当に答えてもいいのですが、そうすると「(豪華客船などの)船長さんなんだ!! すごーい!!」になってしまうので、それは違うので「船長をやってる時あるけど、“船長”は他の乗組員と交代制だから(なんかそういうシステムあるんや)、船長の時と機関長の時があって……まあ船長もできます」とか詳しく説明してしまうと、相手は宇宙猫になります。それはそう。
あとこれはもうクソの極みなんですが、下衆な大人(年上男性)は子供、あるいは若い女(当時)である私に「お父さん、船乗りなん!? じゃあお母さん、浮気し放題やね〜〜!!(笑) でも、“子作り”するときは、ちゃんと考えんと、“計算が合わなくなる”けえね〜!!(笑)あ、お父さんも行く先々の港に女おるんやろ? しっかり避妊せんとね(笑)」とか平気で言ってきます。まじでぶっ殺してやろうかと思うレベルの侮辱、しかもセクハラですが、田舎はこういう下衆な大人、わりと多い。神経疑うけど、ほんとおるんや、こういうクソが。完全にライン超え。侮辱罪やろ。
男性が言ってくるんだよな、これ。「船乗り=行く先々の港に女いる」「夫が船乗り=夫が家にいない=妻浮気し放題、妊娠期間の“計算が合わなくなる”」話。女性は言わない。
(高橋葉介の初期短編漫画にも、船乗りの妻が浮気しててなんか大変なことになる話ありますが、あれはフィクションだからいいんだよ。)
あるいは、港町などの“かなりわかってる”年配の主婦の女性だと「船乗り! じゃあ、船員年金やね! あれ、貰える年金額高いんやろ? ええね〜」(いきなり金の話。しかも船員年金という制度を知っている。最高)と言われます(しかしこれ、たった1名でした)。
「たしかに船員年金制度があり、その年金額は高かったんですが、それは過去の話で、今はもう普通の厚生年金と同じ扱いになったんですよ……なので将来貰える予定の年金額も下がってしまって……」と言うと、「えっ!? そうなん!? それは残念やね。でも船の人はお給料いいから……大変なお仕事しとるからね」とか言われます。“わかってる”。船乗り、海に落ちたら最悪死ぬからね。
これは年配の人に多い「船乗り=高給取り」の認識ですね。(2025年現在で言うと70〜80代以上の人ぐらいかな)
私の生まれ育った港町では、昭和のもっと古い時代には「女の子は、(可能であれば)市内の中高一貫の『お嬢様学校』に進学させる。すると、“箔がつく”ので、高校卒業後、『政治家(知事、市長、議員など)、または船乗り』と『お見合い』ができ、経済的に豊かな、“いい暮らし”ができる。それが幸せである」という価値観、風潮があった、と地元の年配の女性から聞いたことがあります。まだ女性の大学進学率が低く、お見合い結婚も多かった時代の話です。
『船乗り』には、政治家と並ぶレベル、それほどの高給取りという認識、社会的地位があったのです。
あと通勤とかないからどこに住んでもいいし、結婚する場合は妻の実家の近くに住む、家建てるとか多い。船乗りの妻は夫不在の時は自分の親に頼れるってわけ。
(いまも高給取りだけど ただ、乗ってる船にも会社にも人にも仕事内容にもよる)。
(私の地元の世帯収入との平均と中央値調べました。まあおおよそ知ってるけど。うん、父は高級取りや、知ってた。 まあ私の地元、工業地帯あるから平均だとわりと年収高めなんだわ、地方にしては。で、九州某県だとさらに世帯収入平均値、中央値下がるんだよな。給料が少なすぎるから昔から共働き世帯めっちゃ多い県なんやけど。そうすると父の知り合いのベテラン船乗りの年収は在住県の世帯収入中央値の約2.5倍になる。マジか……)
私の父は税金とられすぎない、ちょうどいい高給どり。収入(共働きの場合は世帯収入)って年収1000万だと税金多く取られるから実質年収600万の人と同じぐらいの生活水準になって損するやん。だから年収1000万超えるなら、ダブルインカムなどで2000万目指した方がいい。ちなみに豪華客船の船長さんは年収2000万ぐらいいく。桁違い。だって客の命かかってるし。だから船による。
民間航空機などのパイロットは通常60歳で定年するけど、船乗りは基本、定年ない(勤務会社にもよるけど)。私の祖父は60〜70代、現役バリバリだった。“限界”を迎えると、引退した。医者に近い。
もし、60歳〜65歳などで早めに定年しても、いままでのキャリアや資格、免許、実務経験を活かして、富裕層(船舶免許はあるけど、実務経験がない)の所有するクルーザーを操縦する単発バイトみたいなものもあるという。これ、めっちゃ割のいいバイトみたい。相手は富裕層だし、かなりのお給料くれるとか。だってマイクルーザーで『マイ離島』までクルージング趣味してるんだぜ? リッチな世界だなあ。
あと水先案内人というこれまた船乗りのなかでも高度な経験と技術を持つものだけがこなせる、エキスパート的な仕事をすることもある。
ちなみに水先案内人のことを『パイロット』と呼ぶけど、一般のひとが『パイロット』と聞くとまず航空機パイロットを想像するし、ややこしいよね。
まあ引退した航空機パイロットも、富裕層の自家用ジェット操縦するみたいな、似たようなバイトあるって聞いたことあるし、やっぱ特殊免許、スキル、実務経験持ちって“強い”よね。
金の話延々としてしまいましたが、ちょっと話戻すね。
船乗り、タンカーを中途半端に知ってて、正確でない上にやらかすパターンもある。
小学校、社会科の授業。教科書にデッカい板チョコみたいな船の写真が載っています。日本は海外から石油を輸入しています、みたいな内容の単元。
俺様イキリ系の担任が、補足として「ちなみに、寿儀さんのお父さんはこの写真の大きい船、『タンカー』という船に乗って遠い外国まで行き、お仕事をしています。(寿儀の父親はタンカーに乗っとるって言っとったな、これ、授業で言ったろ! 寿儀も喜ぶし、誇らしいやろ 、 俺、頭いい! ドヤァ)」と発言しました。
私はすぐに挙手し、「先生、それは違います。確かに私の父はタンカーに乗っていますが、こんなに大きい船ではありません。中型船です。タンカーには種類があり、父の乗るタンカーは日本国内しか運航しません(内航船だから)。よって父は外国で仕事をしていません」と訂正、先生が唖然とし、固まる。
だって、先生間違ってるから。クラスのみんなの誤解招いちゃうから。学校だから、義務教育だから、正しい知識教えないとだし、それに私がちゃんと訂正しないと「寿儀ちゃんのお父さんって外国まで船で行ってお仕事してるんだって! すご〜い!」という誤った認識が広まる(親とかにも話す)恐れあるし、私が嘘つきみたいやん。困るもん。
いちおう小学校で習うんだよな、『タンカー』。でも、デッカい板チョコみたいなの大型タンカーの説明や写真しかないから、『タンカー』=『あのバカでっかい板チョコみたいな外国行く船』になっちゃうパターン多い。知ってる、覚えているのはすごいけど、惜しい。だって日本にあんなバカでかい船つけれる港、そんなないから。
それと中学の社会科の先生で、めちゃくちゃ面白い授業をする、物知り、知的好奇心旺盛な先生がいたのですが、その先生とたまたま雑談していたとき、「寿儀さんのお父さんは、船に乗ってるって言ってたよね。どんなお魚とってるの?」とニッコニコの笑顔で訊かれた時は、本当に強いショックを受け、めまいがし、椅子から転げ落ちてぶっ倒れそうになりましたがなんとか耐え、そして私は頑張りました。
「……先生は、お車を運転されますよね」
「? ええ、まあ」
「車の燃料って、ガソリンですよね」
「うん」
「ガソリンが何から作られるか、ご存知ですよね」
「石油だね」
「石油の主な生産国は?」
「サウジアラビア」
「では、その石油を、どのような手段で遠い日本まで運びますか?」
「……??」
なんでここまで説明してわからないんだよ!! 小学校で習っただろ! おまえ社会科教師やろ! 大学出てんだろ!! 頭使えよ!!! いつもは面白い授業やっとるやん!! 私が先生みたいになっとるやん!
「答えは、船です。その名前は『タンカー』。聞いたことありませんか?」
「……ああ!」
なんでだよ!!!!! 遅いんだよ!!
あとタンクローリーとか貨物列車で石油運んどるの知らんかなあ!????
貨物船とか知らん? そもそも、貿易とか知らん? 輸出入とか知らんかな? 物流とか、知らん? 日本は島国やから、海運大事なの、わからん?? 社会科教師やろ??? なんで??? なんで??? 遣隋使とか遣唐使とか、日本は『文化や漢字や美術や仏教』とかも『船』で外国と交流してたやん? 歴史の授業で小学校でもやるやん?
あと黒船来たから日本開国する流れ起きたやん?
社会科ってめっちゃ『船』出てくるやん???
なんで現代の話になると漁船しか思い浮かばんの????????(これ、最大の謎)
あと、精神科医には必ず家庭環境、家族の職業を知らせる、これ必須なのですが、私が地元で結婚直前までかかっていた超名医の先生はなぜか船乗りに詳しく、「タンカー」も通じるし、「外航船、内航船」「水先案内人」もめっちゃ詳しかったです。身内に船乗りいたんかな? あの知識量は船乗りの娘の私には、そうとしか思えないレベルでした。
でも、医者の名前でググると(これ、患者お役立ち情報)けっこう出身大学、卒業年もわかるし論文などが出てくるから、先生なんか論文書いてたし(無料で読める範囲で読んだ)、医学部は卒論ないけど研究して論文書かなきゃいけないし、臨床医じゃなく研究医もいるし、船乗りの子供の精神疾患を研究してたんかな? ちなみに九州の大学でした。やっぱ九州は名医が多い。あと、大学の偏差値はあんま当てにならない。偏差値高い医大、医学部出てる=優秀な医師ではない。偏差値高い大学でも嘘やろなんやコイツみたいな医者いるし、偏差値低めの大学出てても、めっちゃ優秀な医師、いる。あと国立の方が私立より偏差値高いとかあるやん? 東大、国立やん? でも私立の大学の方が金あるから設備とか豪華で充実してたりする。私学だから。これは小学校〜高校も同じやん。日本てアホやから教育に金かけんで年寄りばっか金かけたりして金の使い方下手くそ。(すぐ金の話する)
漫画「動物のお医者さん」でも『文部省(当時)がうちの獣医学部に3億出す!? 文部省といえばお金をくれない お金をくれないといえば文部省というあの文部省が 3億で何買う?』(漆原教授『馬を買えばいいんだ』『その馬をレースに出して稼ぐのです』菅原教授『馬…か』)のエピソードからもわかる。
だから大学のランクで医者を判断してはならない。
私、中卒やから(でも中学ほぼ不登校やから実質小卒なんよなあ)(中島みゆき『ファイト』……)大学知らんけど、これは実体験というか、精神科通院歴25年やし他の病院もよく行くし、知ってる。ていうか調べ物すると論文出てくるから中卒だけど医学論文も、文系の論文もよく読んでる。論文おもろい。
結婚のため東京に来て、転院のため精神科医ガチャを回しまくっていたところ(地元の精神科医から大学病院、総合病院を当たれと言われていたので大学病院攻めまくりました)、人生最悪レベルの、おまえよく医学部受かったし、医師国家試験受かったな、マジこいつの医師免許剥奪しろよレベルに頭悪い上に精神科医がそれ言うか!????? という発言をかましてくるクソの極みな男性精神科医(若い。30代)を引いてしまったことがありました。
「お父さんの仕事は何?」(優秀な医師は「お父様のご職業はなんですか」と言います。先生のキャラにもよるけど。あと初対面でタメ口かよ。もうこいつハズレ確定です)
「船に乗っています。タンカーです。石油運んでます」
「ふーん」(「ふーん」とか言う医者、初めて見ました。あとこいつ、ずーっと両足ぶらぶらさせよるし、膨れっ面だし、クッソ態度悪い)
で、そのクソの塊が「じゃあお父さんが魚を獲ってる時はさ〜」というので、「 ? 先生、私の父は漁師ではありません。先程お話しした通り、タンカーで石油を運んでいます。貨物船です。海運業です。」と訂正すると、なんか、目ェまんまる、で、黙る。おい、なんか言えよ。「何それ?」とかも言わない。なんか、スルー。次の話題に移った。ダッセえ。
自分のこと頭いいと思っとるタイプのバカ。『無知の知』を知らん、あったま悪いわ、コイツ。なーんも知らん。
(本当に頭のいい人は、自分が知らないことがあればプライドとか気にせず「それは何ですか?」と素直に質問するか「そういうのがあるんですか? すみません、あまり知らなくて……」と正直に「自分はその分野に詳しくない」ことを教えてくれる場合が多いです。だってそのほうが自分の知らない知識増えて勉強になるし、コミュニケーションが円滑になる)
このクソ、私に「ふーん。なんか大変な? 家庭環境? だったっぽい? けど〜 いまは〜東京来て〜結婚してるんだからさあ〜過去のことはぜ〜んぶ忘れて、幸せに暮らせばいいじゃ〜ん(大声、鼻ホジ、まあ、どうでもいいけど〜?みたいな態度)」と言い放ちました。他もたくさんありましたが、とにかく、これが、決定打でした。
おまえさあ、虐待とかトラウマとか PTSD とかフラッシュバックとか知ってる? なんで精神科医やってんの? じゃあ、お前の仕事、何? あと、死ね。氏ねじゃなくて、死ね。クソが! と思い、その場で即、紹介状を書いてもらい、転院しました。紹介状の内容も案の定クソでした 。精神状態が悪化して死ぬかと思いました)
(ねえ、島津家家臣の血筋を誇ってた母方ばあちゃん、こいつ斬っていい?)(ええよ)
話が多少脱線しましたが、私は疲れ果てていました。日本人、島国に住んでるのに、海のこと、船のこと、船乗りのこと、知らなさすぎる。輸入とか輸出とかは知ってるのに、海運を知らない。
でも、小学生だった頃、超有名漫画、尾田栄一郎「ONE PIECE (ワンピース)」が週刊少年ジャンプで連載開始して人気出た時は、同じクラスの男子達から「なあ、おまえのお父さん、船に乗っとるんよなあ?」と訊かれることがありました。
「寿儀のお父さん、船に乗っとん?」
「うん。乗っとるよ」
「船長?」
「うん。船長。(相手が子供なので加減した)(お前も同い年だろ)」
「すげえ! “ルフィ”やん!!!! じゃあさ、じゃあさ、おまえのお父さん、“海図”、読める?」
「読める読める。うち、海図あるし。お父さん、船長やけど、航海士でもあるんよ。あと、料理作る人も船におる」
「まじで!???? じゃあ、おまえの父ちゃん“ルフィ”やし、“ナミ”やし、あと船に“サンジ”もおるん!??? すげえ!!!! 『ワンピ』やん!! じゃあさ、“ゾロ”と“ウソップ”は?」
「おらんおらん(笑) 海賊やないから、戦わん(笑) 武器とかないし、武装しとらん(笑)ウソップはともかく、もしゾロおったら銃刀法違反で海上保安庁っていう海の警察みたいなのにめっちゃ怒られるし、捕まる(笑)」(海上保安庁と水上警察はまた別でェ……保安庁は警察じゃないんやけどォ……初心者にわかりやすくざっくり説明してる)
「そっかぁ〜でもかっけえ〜……じゃあさ、船の“帆”は!!? “帆”にマークとかある?」
「ごめん、“帆”、ない(笑)動力、風やなくて、エンジンやから(笑)あと専用の旗はあるね、あれ、マークやね。それと、船の名前もあるよ。『ゴーイングメリー号』みたいな」
「なんて名前なん????」
「『〇〇丸』」
「え、『号』やないん!? 『丸』って何!??」
「知らん(笑) なんか、『丸』なんよ(笑)」
「寿儀はその『◯◯丸』乗ったことある?」
「あるよ」
「いいな〜〜〜! ……え、いろんな“島”とか行くん?」
「行くよ。四国とか、九州の“島”とか。まあ九州自体も“島”やし、本州も“島”やし、日本ってそもそも“島”の集まりやん?(笑) 日本、全部“島”やん(笑)『日本列島』って社会でやったやん? 地図帳見てん、めっちゃ“島”やから(笑)まじ、『ワンピ』(笑)」
「すっげえええ!!!!!!!! そっかあああああ!!!! 俺、“島”におるんや……!!」
男子達、大興奮。よかったね。おまえ、船、乗れ。
私も、めっちゃ楽しかったし、めっちゃ嬉しかった。
(本当はその頃は料理作る“サンジ”ポジションの乗組員いなかったんですけどね。私が小さい頃はいた。景気悪くなってリストラされちゃった。普通の乗組員が頑張って料理覚えて作るようになった。父も作ってた。だから父は“ルフィ”であり“ナミ”であり“サンジ”であった。すげえ)
ありがとう、尾田栄一郎先生、ありがとう、「ONE PIECE (ワンピース)」。絶対、日本国民の“船” “船乗り” の認知向上に繋がったと思う。マジ、感謝。
私も、空島編までは読んでました。初期のワンピース、めっちゃ好きだった。
ナミ(航海士。メインヒロイン)が熱出して寝込んで、そしたら誰も海図読めんし航海術もないから困るエピソードめっちゃいいし(ルフィ、船長なのに海図読めんの笑う)、ミカンの木で栄養補給してるのもいいし、あと「新聞」を、空を飛び人語を解するカモメの新聞売り(ニュース・クー)が届け、ナミが購入し、新聞の価格の高さに文句言ってる細かなシーン、めちゃくちゃ好きです。いちばん好きな描写。そういう設定、いい。
(このカモメの新聞売りにナミが新聞高い! アンタのとこからはもう買わない!って文句言ってる描写をすぐ思い出せるワンピファンどれぐらいおるかな?)
船乗ってると情報収集が難しいとか、そっからイマジネーション膨らませてそういうファンタジーキャラクター(人語を解する空飛ぶカモメの新聞売り)を作るの、好き。尾田っちのセンス感じる。
「ONE PIECE」はジェンダー観が田舎のヤンキーって言われがちだけど、メインヒロインを医者でなく航海士にするのマジでめちゃくちゃすごいと思う。後に加わるロビンも考古学者だし(女性学者出すのもすごいよ。学者は男性、ってジェンダーロールあるやん)、女性陣が理系・文系頭脳派。これマジですごい。
(バトルファンタジー少年漫画、ヒロインや女性キャラクター、回復・防御役にされがち。BLEACH とか NARUTO とか)。
まあ NARUTO のサクラちゃんも頭良い設定で、後に医療忍者になるけど、女性は男性より体力筋力ないから戦闘要員より後方支援、頭脳派ポジション、または回復ポジションに置く、っていうのは、ある。
でも、ナミはすごい。航海士だもん。船は航海士おらんと話にならんもん。航海できんもん。めっちゃ重要、メインポジション。やっぱ、すげえ。
ていうか、医者、チョッパー(動物)やし。女性キャラ増えるかな? と思ったら、そう来たか、と思ったよね。
ただ、やはり他の部分のジェンダー観はやはり田舎のヤンキー感あり、ちょい、キツイ。不快な部分も、ある。(尾田栄一郎先生は熊本県出身やからな)(でも「進撃の巨人」作者の、大分県出身の諫山創先生はそういうヤンキージェンダー観ないんよ ていうか“ゲイのサディスト”ってネタにされてるし 諫山創先生はだいぶちょっと違う方向に突き抜けてる……ライナーと町山智浩への執着なんなんですか!? まあ、ひとによる)
というか、私は幼い頃から父に「お前が男やったら絶対船乗せたのにな〜船乗りにさせたかったな〜でも女やからな〜」と言われて育ったので……(職業選択の自由はないんですか!? まあ父にもなかった。船乗りの家系は医者の家系みたいなもん)。
でもまあ、なってみたかったな、船乗り。精神疾患あるから、船内秩序乱れちゃうし無理だけど(しかもそれ家庭環境のせいなの笑える)。
いまは女性船員も女性の水先案内人もいて活躍していますね。特に英語が得意な人材は重宝されるので、英語堪能な女性船員がここ10年ぐらいで増え、休暇中は海外旅行を楽しんでるそうです。それ、最高やん!
船乗り、増えたと思うし、ほかにも私みたいな体験した船乗りの子供、おるんやないかな。